2009年09月01日

ソニーらしいデジタル一眼レフカメラ

ボディーデザイン一新 ソニーらしくなった「α330」 

 ソニーのデジタル一眼レフカメラ「α」シリーズの入門者向け3機種「α200」「α300」「α350」がそれぞれ「α230」「α330」「α380」にモデルチェンジした。基本的な仕様変更は少ない。しかし、実際手にしてみると、ボディーデザインが大きく変わったことに驚かされる。これまでより曲線を活かしたフォルムは、パソコンやAV機器など他のソニー製品とデザインテイストが近くなったようにも感じられる。今回、3機種の中間に位置するα330をメーンにレビューする。

 3機種の大きな違いは
(1)CMOSセンサーの有効画素数、
(2)液晶モニターのライブビュー機能と液晶の角度を調整するバリアングル機能の有無――の2点だ。
α230は有効1020万画素、光学ファインダーのみで固定式の液晶モニター、α330は同じく有効1020万画素であるもののライブビュー機能とバリアングル液晶モニターを搭載、α380は有効1420万画素でライブビュー機能とバリアングル液晶モニターとなる。

 特筆すべき点は、デジタル一眼レフのモデルチェンジでは必ずといってよいほど変更になる画素数などの基本的な性能が先代と同じであることだろう(イメージセンサーや映像エンジン「BIONZ」のチューニングはわずかに手が入っている)。大きく変わったフォルムから、今回のリニューアルはボディーデザインの変更が主眼といって差し支えなく、従来のデジタル一眼レフにはないパターンといってよい。

■「コニカミノルタ」から脱却
 その注目のボディーデザインは、コニカミノルタ時代のテイストとの決別といってよいほど変わった。カメラ上部の軍艦部は長円状で、これまでと一変している。しかも、α330とα380はこの部分のカラーのみがダークメタリックで、違いが一層際立つ(α230はブラック)。シャッターボタンはグリップ上ではなく、この軍艦部上に配置している。電源のON・OFFはシャッターボタン周囲のリングで操作するが、これもこれまでのαシリーズにないものである。

独特の形状のグリップ。光学ファインダー使用時はやや心もとないが、ライブビュー撮影では比較的持ちやすい。シボのパターンはα330専用のもの

 軍艦部からつながるグリップもこれまでにない独特の形状だ。見た目はシンプルでスマート。カメラを持った感じは、光学ファインダー使用時はホールド感にやや心もとなさを感じるが、ライブビューでは意外と持ちやすい。α330とα380はライブビューの使用に重きを置いたカメラゆえに、この形状となったのだろう。ちなみにグリップ部などの「しぼ」の文様はα330だけ異なる。

 背面に眼を移すと、コニカミノルタあるいはミノルタ時代から電源ON・OFFボタンが配置されていた液晶モニター左上にMENUボタンが設置されている。十字キーを中心に集約されたボタンレイアウトは、初めてデジタル一眼レフを使うユーザーを意識してか、どことなくコンパクト機のイメージに近い。これもこれまでのαシリーズにはない試みだ。これまでソニーのデジタル一眼レフは、上位機も含めてコニカミノルタのテイストを色濃く残したボディーデザインであったことは否めない。このα230、α330、α380はようやくそれから脱却したといえる。

 機能面を見ていこう。α330とα380のライブビューは、α300とα350から採用したソニー独自の機構を継承している。他社ではイメージセンサーで得た画像をそのまま液晶に表示するが、ソニーはライブビュー専用センサーを備え、その画像を使っている。一眼レフに採用される位相差方式のAFは俊敏だが、測距時に液晶モニターが消灯するのが普通。ソニーの方式は消灯せず光学ファインダーと同じ感覚で使える。

 しかも、動いている被写体にピントを合わせ続けるコンティニュアスAFでの撮影も可能。子どもや動物などの撮影ではたいへん使いやすい。光学ファインダーとライブビューの切り換えも、カメラ上部のスライドボタンで直感的に操作できる。連写性能はライブビュー使用時が秒間約2コマ、光学ファインダー使用時が約2.5コマとなる。

 液晶モニターはα230も含め2.7インチ、23万ドットだ。残念ながら、明るい屋外などでは特に見やすいとはいえない。作例の撮影は何度かライブビューを使ったが、液晶モニターが見づらく構図やピントなどでよい結果が得られないこともあった。

 α330とα380のバリアングル液晶モニターは上下方向のみに動かせる。可動角は先代モデルと比べて下方向が10度アップの55度、上方向が5度アップの135度で、わずかながら使い勝手が向上している。惜しむべきは、α300とα350のときからタテ位置撮影に対応していないこと。タテ位置撮影の多いユーザーはちょっと不便に感じることだろう。

 AFは3機種とも共通で、フォーカスエリアは9点となる。これまでフォーカスエリアの表示は中央部以外は短い罫線だったが、今回から一般的な正方形に変更した。被写体とフォーカスエリアが重なって見づらくなるようなことが減った。光学ファインダーの倍率および視野率は、α330とα380が0.74倍で95%、α230は0.83倍で95%といずれも従来から変わっていない。

■SDカードへの対応は大きな進化

 メモリーカードとしてSDHCを含むSDカードが使えるようになったのは大きな進化だ。スロットは同社のメモリーカードの規格であるメモリースティックPROデュオとのダブルとなる。残念ながらRAWとJPEGとの振り分け記録や2枚同時の記録はできないが、汎用性のあるSDカードに対応するというソニーの決断はありがたい。なお、SDカードとメモリースティックPROデュオとの切り替えは手動。他のダブルスロットを備えるカメラのように自動で切り替えるタイプにしてほしかったところだ。

 ISOレンジは従来と同じISO100〜3200。Dレンジオプティマイザーはアルゴリズムの変更により、より高い効果が得られるようになっている。

 操作感は概ね良好であるが、露出補正ボタンの位置についてはちょっと疑問が生じる。カメラを構えたとき、右手親指でも右手人指し指でも遠すぎて押しづらいからだ。右手親指で押さえるのであれば「Fn(ファンクション)ボタン」あたりに、人差し指ならシャッターボタン周辺に配置すると、ぐっと使いやすかっただろう。ファンクションメニューが見やすいグラフィック表示になるとともに、モードダイヤルを回すとそれぞれのモードの説明が液晶モニターに表示されるのは便利だ。

 モデルチェンジあるいはリニューアルというと、これまでは画素数のアップなど主だった機能の進化がメーンであった。しかし、α230、α330、α380は、先代からの機能向上はわずかにとどまる。半面、ボディーデザインに大きく手が入ったことで、ソニーらしいファッショナブルで先進的なフォルムのカメラに仕上がっている。

 スペック至上主義のカメラ愛好家には、さほど興味を引かないモデルチェンジであっただろうが、本来ターゲットとするユーザー層には大いにアピールできるといっていいだろう。7月中旬、ソニーは07年11月に発売したハイアマチュア向けの「α700」の生産完了を告知した。後継機の発表はまだされていないが、α230、α330、α380のデザインテイストを汲むものになることは間違いない。

posted by デジ at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | SONY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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